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@teamster

BASIC member -7 karma
と言ったな。

まだ18歳とか…所詮、世間知らずの若造だ」

「…若いが、なかなかのやり手で、頭も腕も切れると聞いている…

そもそも沖田家は”眠る虎”と言われていた。その底力は計り知れない…各国ともできれば敵に回したくない相手…

それを率いるのが、龍虎か…」

「…急ぎましょう、殿の元に」

「ああ」

3人は急いで広間に向かった。ーーーーー

「じゃ」

離れが見える場所まで来ると、牙蔵が詩にあっさり告げる。

「…あ」

頭を下げて、目線を上げた時にはもうその姿はなかった。

「…」

詩はゆっくり離れに歩く。

たった1晩。

なのに、ひどく長い間だったように感じる。

戸に手をかけて、聞こえぬほど小さく息を吐いた。

ーーと

ガラっ…!
内側から引き戸が開いて、中から仁丸が飛び出してくる。
引き戸にかかっていた手のせいで、詩のカラダが傾いだ。

「桜ッ!!」

「…っ」

言うが早いか、ガシッと掴まれ、詩は仁丸の腕の中に引き込まれていた。

「…っ
桜!!桜…っ!!」

「あ…」

いきなりすぎて、仁丸がどんな顔をしていたかわからない。
頭一つ分詩より高い仁丸。
信継のような大人の男と比べればまだ小柄で、少年らしいものの、意外に引き締まって、固い筋肉…

「…」

詩はどうしていいかわからず、棒立ちのままーーしばらくそのまま、抱き合う形になる。

「…」

ややして、確かめるように、ポンポンと背を撫でられると、仁丸は詩の肩を掴んで顔を覗き込んだ。
その顔はいつもの仁丸の顔だった。

「…おかえりなさい、桜。怪我はないようですね…」

詩はやっときちんと姿勢を正して、仁丸を見上げた。

「ただいま戻りました…あの…

ご心配、おかけしました…」

「はい、心配しました」

多くを語らず、顔を合わせた仁丸は優しく微笑む。

「申し訳ありません…」

頭を下げる詩に、仁丸は頷く。

「今度は僕と出かけましょう。きっとですよ」

詩は仁丸を見つめる。

きっと傷ついた顔は、はじめだけでーー

仁丸様は優しい。
初めて出会ったあの日から、ずっと。「桜の馬…僕も見てみたいです。

あの絵の
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